機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY

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コーネリアス:「うっ。」
イオ:「この選曲いいね。」
コーネリアス:「イオ。また海賊放送か。せめてヘッドホン使えよ。」
イオ:「音は体で感じるもんだ。」
コーネリアス:「これこの前の放送分?」
イオ:「この回はいいぜ。」
コーネリアス:「確かに。いいタイミングで受信できたね。」
イオ:「雷が運んでくれるのかもな。」
コーネリアス:「ミノフスキーが・・・。」
イオ:「薄いからって?フン。知らねえよ。」
コーネリアス:「後でダビングして。」
イオ:「ここ!ここんとこが出撃前にはいいんだ。」
コーネリアス:「分かるよ、その感じ。」
イオ:「見えるんだ・・・デブリをぎりでよけて飛ぶ姿が。尻で感じる振動。手足の先にスイッチの感触が伝わる。全部が俺の目になって動く。」
コーネリアス:「フッ。は・・・。」
イオ:「(くしゃみ)格納庫の空気の悪さなんとかならねえのか。」
コーネリアス:「鼻炎なだけだろ。」
イオ:「コーネリアス。ティッシュ。」
コーネリアス:「ちゃんと返せよ。」
イオ:「サンキュー。」
コーネリアス:「じゃあな。」

クローディア:「作戦目標を伝える。我々の故郷サイド4ムーアに身を潜める敵スナイパーの排除。この1か月で40機以上の味方が撃墜されました。このサンダーボルト宙域、故郷を破壊した卑劣な敵を許してはならない。この戦争は最終局面に近づきつつありこの宙域を取り返すことは戦局に大影響を与えるだろう。サイド4ムーアに再びの栄光を!卑劣なジオンには死を!」
イオ:「同胞ね。全く・・・。生まれた土地はいつまでも俺を縛りやがる。」

イオ:「サンダーボルトにはやっぱフリージャズだ。モビルスーツは大好きだぜ。宇宙も戦場も。ここは自由だ。」
連邦兵1:「(警報)うっ。ううっ。」
連邦兵2:「やべえ。俺たちの場所が丸分かりじゃねえか。」
アレン:「敵が撃ってきたら逆算で位置を割り出すだけだ。」
イオ:「さて貧乏くじは誰だ?あっ。」
アレン:「誰がやられた?」
連邦兵3:「イオ少尉です!隊長!隊長!」
連邦兵2:「退け!退け!アレン隊長ビーム砲で撃たれる。機体は確認できないほどの大破。敵はデブリの陰から狙撃。」
デーブ:「こんなミノフスキー粒子が濃い場所で無線がつながるわけねえだろ。お前も敵機を・・・。」
連邦兵2:「デーブ!」
連邦兵5:「捜せ敵のスナイパーを。」
連邦兵6:「何で敵は俺たちが見えるんだ?ミノフスキー粒子は濃いままなのに。」
連邦兵5:「場所を割り出せって。」
連邦兵3:「サイド4だよ。」
連邦兵7:「故郷を攻撃するのかよ。」
連邦兵6:「うわっ。」

ダリル:「砲身が命数を超えました。ダリル機は軌道予測データを送る側に回ります。」
フーバー:「よくやったダリル曹長。あとは任せな。これで俺は十字勲章だ。ハハハ・・・。」
ショーン:「故郷の女に自慢か?それとも・・・。」
フィッシャー:「ショーン。フーバー少尉は報告相手が複雑なんだ。」
フーバー:「うるせえ。これから落としてやるっての連邦も女もこの俺がさ。」
ショーン:「すっげえなダリルのやつ。千里眼か?」
フィッシャー:「それともうわさのニュータイプか?」
フーバー:「本国で表彰されて休暇だ!」
ダリル:「(警報)あっ。フーバー少尉。機体が流されていませんか?通信が切れかけています。ケーブルの接触を確認してください。」
フーバー:「おっ。そうか?(警報)ああ?おい。(発砲音)」
ダリル:「はっ。」
ショーン:「フーバー!」
フィッシャー:「人間だ。連邦のノーマルスーツ。ダリル!狙撃できるか?」
ダリル:「はっ・・・。」
フィッシャー:「俺の位置からでは狙えん!」
ショーン:「でもフーバーが・・・。」
フィッシャー:「頭を撃たれたんだ。見えたろう。」
イオ:「やっぱコックピットはザクとあんま変わんねえんだな。よう。お前がスナイパー部隊のエースらしいが音楽の趣味は平凡だな。がっかりだぜ。」
ダリル:「運がいいだけの男は口が軽い。」
イオ:「義足野郎だけに遠くからこそこそ撃つのがお似合いだ。」
ダリル:「うっ。俺の足を笑うのか。」
イオ:「お前らの射点位置は把握した。帰りは死角を選んでクルージングだ。」
ダリル:「今度会ったときは逃がさない。次は必ずしとめてやる。俺はダリル・ローレンツ曹長。お前をいつも狙っているぞ。」
イオ:「イオ・フレミング少尉だ。ジャズが聞こえたら俺が来た合図だ。」

ジオン兵:「パティ・ペイジだろ。『テネシー・ワルツ』」
ダリル:「ああ。聞こえてた?」
ジオン兵:「俺はロイヤル・ティーンズだな。」
ダリル:「『ショート・ショーツ』?」
ジオン兵:「ハハハ。こっちだよ。」
ダリル:「はあ?」
ジオン兵:「興味があれば・・・。なっ。」
ダリル:「フフッ。どうかな。」

連邦兵1:「24機出撃して帰艦がこれだけ?」
連邦兵2:「くそ野郎が考えた作戦なんてこんなもんだ。」
連邦兵3:「整備ハンガーに移せ。最優先だ。」
コーネリアス:「イオ!」
イオ:「イオ・フレミング少尉帰艦しました。」

ダリル:「嫌いだったなこいつ。プレイボーイ気取りで。」
セクストン:「遺体はリユース研究室へ運んでくれ。」
ショーン:「奇跡的に見つけたんだ。本国の遺族へ返してやりたいんだけど。」
セクストン:「義手からデータを回収するのが先だ。」
フィッシャー:「死んでもモルモット扱いかよ。」
セクストン:「そのデータのおかげで戦えるんだろ。あっ。カーラ先生。遺体は・・・。」
ダリル:「あっ。」
セクストン:「先生?」
カーラ:「うう・・・。ああ・・・。嫌。」
フィッシャー:「は?」

連邦兵:「大破4、小破6、コックピットブロックのみ5、ロスト9。」
グラハム:「そうか。現在イオ・フレミング少尉が奪取したリック・ドムからデータ収集中です。敵の配置、行動パターンが読めるかもしれません。」
クローディア:「そう。」
グラハム:「例のものもコンテナ搬入作業を進めているところです。派遣したメカニックたちも一緒に戻ってきていますから、すぐに起動テスト可能とのことです。」
クローディア:「それを誰に?」
グラハム:「イオ少尉しかいないと思いますが。」
クローディア:「そうね。」
グラハム:「私から命令しましょうか?」
クローディア:「いいえ。私が伝えます。」
グラハム:「フン。」

イオ:「試作モビルスーツ。ムーア同胞団が連邦に金積んだか。」
クローディア:「今回の作戦であなたより階級が上のパイロットはいなくなった。そうでなければ・・・。」
イオ:「上官が戦死しての繰り上げ当選はお互い様だろう。艦長代理殿。」
クローディア:「くっ。手を放しなさい。イオ・フレミング少尉。艦長命令よ。」
イオ:「イエッサー。」

グラハム:「そういうことか。」
連邦兵1:「分かんないもんでしょう。」
グラハム:「はぁ。」
連邦兵2:「艦長は?」
グラハム:「小娘は男と大事な時間だ。」
連邦兵2:「ああ・・・。」
連邦兵3:「エリートってだけで艦長だもんな。何でも特権階級ですね。」
連邦兵4:「そういえばイオに試作機を渡すんですって?」
連邦兵3:「あいつもねムーアの首長の息子だからさ。」
連邦兵2:「無能なエリートがジオンの侵攻を許し、我々の故郷を壊滅させたってのに。」
グラハム:「しかし人柱にはちょうどいい存在だ。理想のために命を散らす若き英雄。罪深い家系の連中にはムーア同胞団のプロパガンダになってもらう。そのためのガンダムだ。」

クローディア:「うっ。もうあなたを愛さない。そうすれば死んでこいと命令できる。」
イオ:「そうだクローディア。俺に出撃を命じろ。俺は魅入られたのさ、戦場で輝くモビルスーツって魔物に。」

カーラ:「戦闘中の交信記録を聞いたわ。フーバーを殺した連邦のパイロット。ジャズが聞こえたらその男が来た合図なんでしょ。」
ダリル:「ええ。」
カーラ:「お願いよダリル。その男を必ず殺してね。撃墜王だもの。できるでしょ?・・・」
ダリル:「カーラ先生。痛み止めの薬をもらえますか?あなたが着けてくれた足が今夜は特に痛むんです。」

コーネリアス:「リック・ドムから得たスナイパー部隊のローテーション分布の確認だぞ。分かってるな?あくまでテスト飛行のついでにやればいいんだから。」
イオ:「(くしゃみ)コーネリアス。ティッシュくれよ。」
コーネリアス:「はいよ。」
イオ:「相棒。音楽も頼む。」
コーネリアス:「はいはい。」

イオ:「すっげえ。比較になんねえな。これがガンダム。くっ。くっ。おお。最高だ!欲しかったのはこういう力なんだ!ガンダム。俺の力になれ。」

ジオン兵:「よけた。うそだろ。ああ。くそっ。何なんだよ!ああ。ああ~!」

ショーン:「ジャズだ。」
バロウズ:「撃墜されたザクは3機。いずれもビッグ・ガンの攻撃をかわされている。重装甲にして高機動なモビルスーツ。この機体は我々リビング・デッド師団にとってやっかいな相手だ。」
フィッシャー:「連邦の・・・。」
ショーン:「ガンダム。」
ダリル:「はっ。あいつだ・・・」

イオ:「うっ。はっ。」
コーネリアス:「これお前のお父さんが好きだった・・・。」
イオ:「しみったれた歌だ。」
コーネリアス:「そう?俺は好きだったよ。」
イオ:「コーネリアス。ティッシュあるか?」
コーネリアス:「ああ。」

男性:「宇宙要塞ア・バオア・クーにすばらしき功績を挙げた若き精鋭たちと栄えあるジオン科学賞を受勲した公国の頭脳たちが集結。名誉ある宇宙攻撃軍幹部会にて大いにたたえ合う彼らの忠誠。我らジオン軍はスペースノイドの理想実現のための礎とならん。」

カーラ:「脳がかゆくない?」
ダリル:「大丈夫。」
カーラ:「では。」

カーラ:「記録、開始します。」
セクストン:「今日はフェイズ6に入るぞ。」
ダリル:「聞いてます。その前にチェックでしょ?」
セクストン:「ああ。そうだ。」
カーラ:「神経伝達問題なし。」
セクストン:「右足を踏んで引いて。続いて、そう、左を。バーの進行速度に合わせて右から左を。オーケーだ。先生。」
カーラ:「リユース・P・デバイス駆動実験スタート。」
ダリル:「了解。」

ダリル:「すばらしいシステムだ。あれならスナイパー以外の活躍もできそうだよ。」
カーラ:「今のそれよりましな義足はいくらでもあるのよ。」
ダリル:「知ってる。でもあのシステムならリアルな足以上の働きができるだろ。」
カーラ:「また勲章が欲しいの?」
ダリル:「先生ももらったじゃないか。」
カーラ:「捨てたわ。戦争なんて大嫌いなの。」
ダリル:「あ・・・。ああっ。」

イオ:「・・・っ!ガンダム。俺を夢中にさせてみろ!」

レイトン:「ノイズレベル良好。問題ありません。」
ダリル:「ご苦労さま。」
レイトン:「ダリル曹長。この辺にも地縛霊とか出ますかね?」
ダリル:「宇宙で?」
レイトン:「サイド4じゃたくさん死んでますからね。霊感強い人には見えるのかなって。自分ホラーとか苦手で。」
ダリル:「俺も見えないよ。」
レイトン:「そうですか。よかった。あ・・・。でも曹長が旧ザクで出撃ってひどいですよね。いくら残ってるのがこれしかないからって撃墜王に旧ザクなんて。」
ダリル:「スナイパーに機動力は必要ない。今までどおり網に掛かった獲物をしとめるだけなんだからこいつで十分さ。」
レイトン:「さすがですね。仲間の敵討ち期待しています。ではご武運を。」
ダリル:「ありがとう。はっ。フィッシャー。ショーン。そっちのエリアだ。」
フィッシャー:「もらった。」
ショーン:「速い。なら・・・。」
イオ:「そこか。」
ショーン:「くそ!」
イオ:「はっ。頂き!」
ダリル:「くそ!」
ショーン:「はっ。」
フィッシャー:「ショーン!」
イオ:「小心者の毒蛇め。お前らはデブリの巣穴に隠れねえと戦えねえのかよ。」
フィッシャー:「当たれ!」
ダリル:「軽いぞ。フィッシャー。今のは?」
フィッシャー:「ガンダムじゃない。どこだ?どこに隠れやがった?ガンダム。あっ。軽い。これもおとりか。あー!動け!動け!」
イオ:「とどめだ。」
ダリル:「見えた。」
イオ:「うっ。うわあ!うっ。はっ。」
ダリル:「ああっ。」
イオ:「別格に遠いな。この距離で狙撃するとは。間違いねえな。お前だろ?義足野郎!」
ダリル:「雷がビームをゆがめるなんて何て強運なんだ。」
フィッシャー:「逃げろダリル。スナイパーが敵に位置をさらしたらおしまいだ。ガンダムに勝てっこねえ。」
ショーン:「くそ。何も見えねえ。」
ダリル:「あ?ショーン。まだ生きてる。」
イオ:「俺の動きが予測できるなら撃ってみろ。仲間を殺す覚悟があるならな。」
ショーン:「撃て!撃ってくれダリル!」
イオ:「デブリを増やしてかく乱か?」
ダリル:「進路を作ってやる。近づいてこい。お前だけを射抜くぞ!」
イオ:「いい盛り上がりだ。このジャズが聞こえたときがお前の最期だ。」
ダリル:「何だ?」
フィッシャー:「・・・!」
ダリル:「あっ。畜生!上か。ぐあああ!」
イオ:「その体じゃこのくらいの動きが限界だな。」
ダリル:「こいつ!」
イオ:「終わりだ。義足野郎!」
ダリル:「ぐあっ!」
イオ:「・・・!こいつ・・・。く・・・。うっ!」

クローディア:「艦隊の中央に攻撃を集中。」
グラハム:「速力そのまま。射程圏外に出るまで撃ち続けろ。」

ジオン兵たち:「うわっ。」
ジオン兵1:「ムサイ2隻ごう沈。」
ジオン兵2:「射程圏外まで10秒。」

グラハム:「ガンダム1機のおとりでムサイを2隻撃沈。見事な作戦です艦長。」
クローディア:「これだけとは・・・。うっ。」
グラハム:「また逃げる・・・か。」

カーラ:「新しい義手を用意するわ。もう少し待って。」
ダリル:「あ・・・。あっ。あ・・・。ああ・・・。ああああっ!!」

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ドライドフィッシュ副長:「約2時間の応急処置で4機のモビルスーツが再出撃可能。ビッグ・ガンの残りは1機のみです。」
バロウズ:「はぁ。玉砕の覚悟をしてほしい。」
セクストン:「はっ。」
ドライドフィッシュ副長:「師団はこの宙域の死守を命じている。最悪の場合、科学班も命運を共に。」
セクストン:「あ・・・。あ・・・。くっ。艦長。我々の実験は既に実戦投入できるレベルにあります。」
バロウズ:「しかしあの機体には・・・。」
セクストン:「最後に残った重要な部品については艦長のご決断があれば・・・。」
バロウズ:「ん・・・。」

セクストン:「分かってください、カーラ先生。全滅の危機にある師団を救う方法はこれしかないんです。ガンダムに対抗できるのは私たちの実験機だけなんです。」
カーラ:「駄目よセクストン。あの機体は四肢の神経をつないで初めて最大の効果を発揮するもので・・・。」
セクストン:「ダリル曹長がいます。」
カーラ:「えっ?」
セクストン:「戦闘で左手を失ったそうですね。」
カーラ:「何を言っているの?」
セクストン:「彼の右手を切れ!」
カーラ:「はっ。彼らはモルモットじゃないのよ。」
セクストン:「私だってつらい。」
カーラ:「あなたはどこまで私に人間の魂を捨てさせるつもりなの?」
セクストン:「この戦争に協力しなきゃ反逆罪で投獄されている君の父親はどうなる?」
カーラ:「はっ。」
セクストン:「今こそ誇り高い研究を祖国のために生かすべきだ。これは宇宙移民者独立のためであり、ジオン公国のためだ!」

ダリル:「これがリユース・P・デバイスの本当の力。これでガンダムを・・・。」

連邦兵1:「デッキクルーに告ぐ。着艦作業のため第3、第4デッキのハッチが開く。直ちにヘルメット着用。もしくは気密エリアに移動せよ。ムーア同胞団からの通信。2時間後サンダーボルト宙域奪還に向け総攻撃を開始せよ。以上です。ガンキャノン4機、ジムキャノン20機、ボール12機、補給物資用コンテナ40機、補充パイロットも40名到着しました。」
グラハム:「パイロットの補充に感謝します。小娘はここらが限界だったな。」
連邦兵2:「はい。」

連邦兵1:「第3、第4デッキの与圧を始める。到着したパイロットたちはブリーフィングルームに集合せよ。」
連邦兵2:「第4デッキモビルスーツ隊全機収容完了。」
連邦兵1:「ゲート閉鎖始め。安全装置確認・・・。」
イオ:「おい。こいつらみんな子供じゃねえのか?」
兵士1:「ガンダム。」
兵士2:「あっ。ガンダムだ。」
コーネリアス:「ん?」
イオ:「何だ?」
コーネリアス:「お前の部下だ。面倒見てやれよイオ隊長。」
イオ:「悪い冗談だ。」
コーネリアス:「小さな愛国者か。連邦が試作品のガンダムを何機も送るわけだ。」

イオ:「おい艦長様。」
連邦兵:「少尉。困ります。」
イオ:「っせえ!あっち行ってろ。うっ。あ?くっ。おい!クローディア。うっ。おい!クローディア!くっ。手前。くっ。将校だろ?何考えてやがる!」
クローディア:「うっ。痛い。痛い。」
イオ:「いつからだ?」
クローディア:「うっう・・・今なら・・・。」
イオ:「ああん!?」
クローディア:「私今ならあなたのお父様の気持ちが分かる。ムーアの市民数億人を死なせた現実に押し潰される気持ちが。」
イオ:「うっ。」
クローディア:「イオ。あなたには分からない。私はまた死んでこいと命令するの!うっ・・・消耗品のように送られてきた子供たちにもね!この苦しみをあなたも背負えばいいんだわ!」

ジオン兵1:「さすが撃墜王だ!」
ジオン兵2:「ハハハ・・・。よっ二階級特進!」
ジオン兵3:「少尉殿に乾杯。」
ジオン兵4:「見せてくれよ階級章。」
ダリル:「特別だぞ。」
兵たち:「おー!」
ジオン兵5:「すっげえ。」
フィッシャー:「あー。飲んでるか?少尉殿。あっ。」
ダリル:「あっ。おっと。ハッ。」
フィッシャー:「あ・・・ああ。何でもないんだ。くそ。ちょっと・・・。」
ダリル:「参ったな。みんな泣き上戸?ありがとう、俺のために。でもほら大丈夫だから。命令だし、艦隊の仲間、俺も守りたいし選ばれて逆に光栄っていうか・・・。」

コーネリアス:「写真懐かしいね。思い出すなあコロニー・エアレース。フッ。あれは本当に大当たりだったね。」
クローディア:「レースの企画からスポンサー探しまで私たちでやったっけ。」
コーネリアス:「僕らだけで何でもできると思ってた。」
クローディア:「あのころ・・・今でも夢に見るわ。」
コーネリアス:「薬じゃ戻れないよ。」
クローディア:「は・・・。」
コーネリアス:「イオは戦争を楽しんでいるんじゃない。あいつはね極致に身をさらして初めて『生きてる』って実感するタイプの人間なんだ。あいつは戦争って狂気の中でしか生きられない・・・哀れなやつなんだ。」
クローディア:「あ・・・。」

フィッシャー:「ダリル少尉。俺らは先に出るぞ。」

カーラ:「私の父は歴史家で今は思想犯として投獄されているの。軍は『私が研究で貢献すれば父を助ける』って。父は何度も命を狙われ、左手を失い、それでも戦い続ける人だったのに・・・私は軍の言いなりになって、あなたの右腕を切った。自分のエゴと保身のために。」
ダリル:「生き残ろう。」
カーラ:「は・・・。え?」
ダリル:「生き残っていつか心から笑おう。理不尽な現実こそ僕らを苦しめる本当の敵だ。戦争中に生きる僕らにはちょっぴり試練が多いし、この戦争で生き残るなんて奇跡かもしれないけど、さえない僕らの人生にだって奇跡はきっと・・・。」
カーラ:「笑いたい、心から・・・。」

バロウズ:「ダリル少尉。」
ダリル:「はい。」
バロウズ:「君の戦果に全てが懸かっている。」
ダリル:「敬礼できず申し訳ありませんが了解です。」
バロウズ:「頼んだぞ。」
ダリル:「ダリル・ローレンツ出撃します。」

コーネリアス:「もっと寄って。もっともっと。」
イオ:「我々モビルスーツ部隊は2400に作戦行動を開始する。お前たちは俺の盾になれ。俺は途中の散発的な戦闘には加わらない。温存したフルアーマー・ガンダムの任務は敵艦隊撃破と敵エーススナイパーの排除のみである。ここは人を多く殺したやつが英雄とたたえられる異常な世界だ。作戦を立てては戦うという無限ループ。プレーヤーが入れ代わっても戦争って名のミッションは続く。どんなに耳を塞いでも逃げられやしない。俺はモビルスーツが好きだ。自分の力を増幅してくれる機械がどうしようもなく好きで全身の血が沸騰する。それがどんなに業が深く、罪深いものだろうと、俺を縛るもの全てに蹴り入れて、地獄に落ちるぎりぎりまで戦ってみせる。あばよ、同じ消耗品の兄弟たち。生き残ったら乾杯だ。」

イオ:「イオ・フレミング、フルアーマー・ガンダムいくぞ!」
クローディア:「無邪気な子供たち。どうか無事に戻って、1人でも多く。」

キース:「はぁ。くそ。まるでバースデーケーキだ。だが所詮数だけ。」
曹長:「撃ち方やめ。撃ち方やめ。」
少年兵1:「頭がやられた。」
曹長:「ばらばらに反撃しても勝てない。これじゃ全滅するぞ。」
キース:「よし。こうして編隊さえ崩しちまえば・・・。ヘヘヘ。ヘッ。ナイフで切り分けるより簡単だ。」
曹長:「みんな訓練どおりにやるしかないんだ。互いにリンクしろ。」
少年兵:「あっまた。」
曹長:「黙れ!編隊を崩すんじゃな・・・。」
少年兵:「曹長!」
キース:「くそ。またそろい始めた。ああ・・・しばらく食ってねえな。ばあちゃんのりんごタルト。」
少年兵:「やった、やったぞ。」
(少年兵の悲鳴)
フィッシャー:「俺もすぐ逝く!」
(少年兵の悲鳴)

ダリル:「侵攻ルートに入った。全て予定どおり。捕捉した。あとは頼んだぞ、レイトン伍長。」
レイトン:「了解。」

レイトン:「あと200秒か。しっかりやれよ俺。」

セクストン:「カーラ先生。この船と運命を共にするつもりなんですか。」
カーラ:「あの兵器に関わったおかげで世間を知り、自分の愚かさにも気付けた。あなたには感謝しているわセクストン。」
セクストン:「脱出するべきだ!研究を本国に持ち帰ればジオンは・・・。」
カーラ:「1人で逃げてちょうだい。デバイスは完成したんだし私のお守りもおしまいでしょ。」
セクストン:「いやしかし・・・ああっ。データが!う・・・。ハァハァハァ・・・。はっ。先生!ばかな・・・。勝手にしろ!」

カーラ:「ハァハァハァ・・・。」
ジオン兵1:「先生!リラックス!軍事訓練でやったとおりで大丈夫です。」
カーラ:「は・・・。はっ。はっうっ。」
ジオン兵2:「ガンダムだ!」
カーラ:「はっ。くっ。くっ。ガンダムめ!うっくっ。うう!はっ。へ?」

レイトン:「時間だ。やった!やりましたよ少尉。やった!やっ・・・。」
ダリル:「うおおおおっ!ハァハァ・・・」

ジオン兵1:「機関部被弾!」
バロウズ:「損害を報告しろ。ここで沈むわけには・・・。」
ジオン兵2:「うわっ。」
バロウズ:「なっ!」

ジオン兵1:「ポッドには負傷者が優先だ。」
セクストン:「ここもいっぱい。くっ。」
ジオン兵2:「けが人だ。手を貸してくれ。」
セクストン:「おい。大丈夫か?」
ジオン兵2:「こいつをポッドへ。」
セクストン:「よし。」
ジオン兵2:「うっ。」

クローディア:「はっグラハム。ハァハァ・・・。グラハム副長。大丈夫ね?」
グラハム:「俺に触るな。」
クローディア:「この船は沈む。退艦命令を出したわ。」
グラハム:「何だと?うっ。船を捨てる気か?無能なエリートめ。祖国ばかりか艦隊まで全滅させやがって。」
クローディア:「あっ。」
グラハム:「こんなことで死んだ妻と娘に顔向けができるか。」
クローディア:「グラハム。」
グラハム:「ムーアの名誉のために。」
クローディア:「はっ。」
グラハム:「お供しますよ。」

コーネリアス:「ん・・・クローディア?」

連邦兵1:「おい。あの光、大きすぎる爆発だ。」
連邦兵2:「俺たちの母艦じゃないのか?」

イオ:「まだ戦闘は終わっていない。強敵がまだあそこにいるんだ。この戦闘宙域にやつはいなかった。お前だな。」
ダリル:「はっ。うおおおおおお!」
イオ:「うおおおおおお!」

ジオン兵1:「リビング・デッド師団の戦闘は3バンチから2バンチ周辺という情報が入った。援軍部隊皆に伝えろ。」
ジオン兵2:「了解です。」

フィッシャー:「ダリル。みんな。援軍が着くまで生きてくれ。」

ダリル:「んっ!」
イオ:「フッ。」
ダリル:「・・・!」
イオ:「くっ。ううっ。ぐっうっ。いいかげん落ちろ!」
ダリル:「カーラ!すごい!君の作ったモビルスーツは俺の失った手足よりも自由だ!」

連邦兵:「敵旗艦は味方モビルスーツ隊の攻撃により沈黙。艦内には生き残りのジオン兵多数。これより敵艦内制圧に向かう。」
メカニック1:「制圧って?」
メカニック2:「この救命艇じゃ酸素が足りないんだよ。」
メカニック1:「ええっ。」

連邦兵:「ボールのチバ曹長が先導します。」

メカニック:「・・・コーネリアス、人を撃ったことは?」
コーネリアス:「ないよ。戦場で音楽を聴きたがる気持ちがやっと分かった。」

イオ:「・・・、はっ。はっ。がっ・・・くっ。くっ。」
ダリル:「やれる。やれるぞ!」

コーネリアス:「ハァハァハァ・・・。はっ。」
連邦兵:「向こうが機関室だ。部下を連れて機関部を制御するんだ。」
コーネリアス:「メカニックだけで・・・。」
連邦兵:「訓練はしただろう!」
コーネリアス:「はっ。了解です。」

イオ:「はっ。」

連邦兵1:「空気だ。」
連邦兵2:「いるな。この音楽が聞こえる先。」
ジオン兵:「感謝します。カーラ先生。ここの爆発は艦内全てに行き渡るでしょう。」
カーラ:「全てを道連れにして悪夢を終わらせましょう。」
連邦兵1:「動くな!全員動くな。我々は地球連邦軍ムーア同胞団である!この船は制圧した!おとなしく捕虜になれ!」
連邦兵2:「この中に責任者はいるか?」
連邦兵3:「階級の高い者は?」

ジオン兵:「ジオン軍人は捕虜になって生き恥をさらすことはない。」
ジオン兵女:「そうよ。軍人の名誉と誇りに懸けて。絶対に。」

ダリル:「落ちろガンダム!」

カーラ:「ダリル。あなた1人で逝かせたりしない。私も。」

ダリル:「うわああっ!」
イオ:「これで死ね!」

ジオン兵:「いくぞ。」
ジオン兵たち:「ジーク・ジオン!」
コーネリアス:「待って!」

イオ:「がはっ。」
ダリル:「くっ。うわあ!」

コーネリアス:「もうやめよう!憎しみ合いや殺し合いをいつまで続けるんだ!もうやめよう。もうやめよう。」
カーラ:「はっ。は・・・。」

連邦兵:「ここに固まるんだよ早く動け!」
ジオン兵:「なぜ爆発が起こらないんだ?」
デンバー:「しくじったかな?プランB、プランBだ。」

コーネリアス:「自爆なんて無意味だ。やめよう。」
ジオン兵1:「捕虜にはならない!お前たちを道連れにしてやる。」
ジオン兵2:「家族や恋人を奪った報いを受けろ!」
ジオン兵3:「あの憎しみを思い知れ!」
コーネリアス:「苦しみは僕らだって十分味わった!この宙域は僕たちのコロニーがあった場所なんだよ!故郷があった場所なんだ。」
ジオン兵2:「故郷?」
ジオン兵3:「サイド4の?」
コーネリアス:「そうだ。故郷を奪われ母艦も落とされもう生き残りだって僅かなんだ。」
カーラ:「あっ。」
コーネリアス:「これ以上仲間の死を見たくない!一緒に生き延びる道を探そう。お互いが全滅するまで殺し合うなんてばかげてる!」
カーラ:「はっ。あなた何を!?」
コーネリアス:「う・・・うっ。」
連邦兵1:「やった・・・。」
連邦兵2:「いちかばちかが大当たりだ!」
カーラ:「(悲鳴)」

イオ:「さすが頑丈だ。増加装甲を外せばまだいける。けりをつけてやる。殺す。」

ジオン兵1:「くっ。うわっ。」
ジオン兵2:「早く来てくれ!もたないぞ!うっ。」
デンバー:「うわっ。ジーク・ジオン!ん?おい。爆薬庫まで来たってのに。・・・っ!」

イオ:「このジャズが聞こえたときがお前の最期だ!義足野郎!うっ。あっ。」
カーラ:「は・・・。」
イオ:「なぜだ?なぜやつに勝てない?」
ダリル:「分かったよカーラ・・・君に出会えたことが僕の奇跡だ・・・」

イオ:「は・・・う・・・くっ。ハァハァ・・・。ハァ・・・。えっ?ばかな。そんな体で・・・。俺はこんなやつに負けたのか!」

カーラ:「フフフ・・・。フフフ・・・。」
イオ:「そうか。クローディアはいないのか。」
コーネリアス:「多分艦長として・・・。」
イオ:「くっ。」

ダリル:「ありがとう。フィッシャーが援軍を呼んでくれたから。」
フィッシャー:「いや。俺もどさくさで。」
ダリル:「でもサイコ・ザクは失ってしまった。報告はどうする?カーラ先生の回復しだい、リユース・P・デバイスは量産化されるぞ。ダリルと同じ運命を背負うパイロットが増えるな。」
ダリル:「リユース・P・デバイスを使えば平凡なパイロットを超人に変えられるからね。僕と同じように手足を切れば。」

ジオン兵1:「もうやめろ!リビング・デッド師団の諸君!拷問は条約違反だ。これ以上は親衛隊として見過ごすわけにはいかない。」
ジオン兵2:「はぁ分かっています。」
ジオン兵3:「失礼いたしました。」
ジオン兵1:「あっどうぞ。5分だけです。映像音声共に記録させていただきます。」
ダリル:「ありがとうございます。イオ・フレミング。サイド4元首長の息子。地球連邦軍ムーア同胞団所属。そして悪名高きガンダムのパイロット。」
イオ:「ヘッ。ん・・・。ダリル・ローレンツ。教えてくれよ。その哀れで不自由な体でどうやってモビルスーツを操るんだ?」
ダリル:「あんたを殺して決着をつけたかった。ガンダムを倒せば戦争っていう悪夢から解放される気がしたんだ。」
イオ:「悪夢?今更被害者面か。モビルスーツに身をささげて授かった力でガンダムに勝ったんだ!いい気分だろ?俺たちは戦争を呪いながら戦争に魅入られていく。」
ダリル:「うっ・・・はっ。」
イオ:「俺たちは戦い続ける宿命なのさ。」
ダリル:「は・・・は・・・。」
イオ:「ヘッヘ。戦争はまだ終わらない。」


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