機動戦士ガンダム 第15話 ククルス・ドアンの島

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ナレーション:「宇宙世紀ダブルオーセブンティーナイン(0079)、ルナ2と呼ばれる第2の月は、宇宙都市建設に使う鉱物資源を手に入れる為に運ばれてきた小惑星である。その隣に7番目の宇宙都市サイド7が建設され始めて2年目、ジオン公国と地球連邦軍の戦争が始まった。この大戦で4つの宇宙都市の群れが消滅し、わずかサイド6のいくつかの宇宙都市が残るのみである。そして、ジオン公国を名乗る宇宙都市の群れは地球から最も遠い所にあった。そこの総帥ギレン・ザビは叫ぶ。地球連邦の軟弱を討てと。あたかも、人類を救うのは彼のみであるかのように」

タイトルコール:「ククルス・ドアンの島」

マーカー:「コアファイター、アムロ、聞こえますか?ガンペリー発進しました」
アムロ:「了解、接触します」
マーカー:「ドッキングサーチャーからカウント入ります。3秒短縮が目的です。よろしいですか?」
アムロ:「了解。リュウさん、いきます」
リュウ:「よーし、いいぞ!アムロ!ドッキングスタンバイOK」
アムロ:「いくぞ・・・リュウさん!ドッキングサーチャー同調願います」
リュウ:「レーザーサーチャー同調、5、4、3、2、1、ガンダムBパーツ投下」
アムロ:「コアチェンジ、ドッキングゴー!」

マーカー:「19秒ジャストです」
ブライト:「遅いな。もう4秒短くならんのか?」
マーカー:「無理じゃないんですか?レーザーサーチャーのシンクロが遅いようなんで」
フラウ:「ブライトさん、連邦の空軍の緊急信号が入ってます」
ブライト:「空軍のSOS?場所は?敵の数は?」
フラウ:「それが、自動発信の様で交信は不可能です。すぐ割り出します!ポイント305」
ブライト:「ポイント305か、割と近いな。アムロに様子を見させる」
「アムロ、コアファイターをガンダムから離脱しろ、いいな?アムロはコアファイターでポイント305へパトロールを頼む」
アムロ:「了解。リュウさん、ガンダムパーツはずします。引き取ってください」
リュウ:「了解。あまり見たくないシーンだがな」
アムロ:「そうですか?リュウさん」
「ブライトさん、行きます」
「うわっ!」


リュウ:「まったく。ガンダムのこんな姿は見たくもないな」
アムロ:「ポイント305、あの島か」
「あれかな?」


アムロ:「ん?」
連邦兵A:「うぅ・・・」
アムロ:「生きてるのか!?」
ブライト:「わかった。なんとか事情を聞き出してくれ」
リュウ:「アムロ、必要な物があればすぐ届けるぞ」
カイ:「ちぇっ、連邦軍の奴ら、助けにも行かねえようじゃねえか」
ブライト:「まだ近くに敵がいるかもしれん。第二戦闘配置の指令を出しておけ」
ミライ:「はい」

アムロ:「く・・・」
連邦兵A:「うっ・・・」
アムロ:「・・・駄目か」
連邦兵B:「あぁ・・・」
アムロ:「ああ、動いちゃ駄目ですよ」
(それにしても、パイロットを生かしたままわざわざシートに縛り付け、戦闘機の武器だけを奪うとは。いったい)
「あっ、誰だ?」
「く・・・」
「・・・大丈夫ですか?」
「・・・」
「・・・あっ」

タチ:「兵隊なんか来るな!」
クム:「さっさと帰れ!」
アムロ:「・・・よせ、やめるんだ。僕は敵じゃないぞ!」
タチ:「うるさい、帰れ!」
チヨ:「早くこの島から出ていって!」
アムロ:「やめろ!やめるんだ!」
タチ:「うるさい、黙れ!」
子供達:「えーい!」
アムロ:「あ・・・」
クム:「あの戦闘機も壊しちゃえ!」
子供達:「おーっ!」
ドアン:「やめるんだ」
アムロ:「・・・?し、しまった」
チヨ:「あ、ドアンだ」
子供達:「うわーい、ドアーン!」
アムロ:「こ、ここはジオンが完全に制圧してる所じゃないはずだけど。ど、どういうことだ?」
子供達:「うわーい」
タチ:「ドアン、また兵隊が来たんだ。僕達にピストル向けるんだ」
アムロ:「は・・・」
ドアン:「君と戦うつもりはない。おとなしく武器を渡してくれれば危害は加えない」
アムロ:「ぶ、武器を渡せ?今ならそっちの好きにできるはずだ。好きにやったらいいじゃないか」
ドアン:「戦いたくないから頼んでいるのだがな」
「さ、安全な所にいなさい」
タチ:「ドアン、あんな奴やっつけちゃってね」
チヨ:「お願いよー」
ドアン:「そんな戦闘機でこのザクに勝てると思っているのか?」
アムロ:「致命傷は無理としても、ミサイルで撃ち所さえ良ければ動けなくすることはできる。いくぞ」
「関節のジョイントを破壊できれば・・・」
「早い!」
「今度こそ!」

ドアン:「ふん」
アムロ:「うわーっ!!ああっ・・・」

アムロ:「う・・・うっ、痛・・・うっ!・・・」
「は・・・き、君は?」
ロラン:「ロラン」
アムロ:「こ、ここはいったいどこです?」
ロラン:「ドアンと子供達の家よ」
アムロ:「ドアン?」
ロラン:「ククルス・ドアン。あなたを助けた人だけど」
アムロ:「なんだって・・・!」
ロラン:「ドアンはあなたを帰すつもりです。痛みが治るまでここでしばらく寝てらっしゃい」
アムロ:「じ、冗談を言うな。それより僕のコアファイターはどこにあるんだ?」
ロラン:「ドアンの見立て通りね。ドアンなら裏の畑に子供達といるわ」

ドアン:「ふん・・・ふん・・・ふん・・・」
チヨ:「ドアン、あいつよ」
ドアン:「・・・フッ」
アムロ:「・・・?」
ドアン:「少年、もう歩いても大丈夫なのかな?」
アムロ:「どこにあるんですか?」
ドアン:「君の戦闘機か。私はこの子達を守らなければならないのだ。いずれジオンの連中がここを見つけ、私を攻撃してくるだろうからな」
アムロ:「・・・僕だって身を守る為には武器がいるんです。コアファイターを返してください!」
ドアン:「返したら君だって私を倒しに来るんじゃないのか?」
アムロ:「あ、あなたみたいに子供を騙して手先に使うのとは違います。僕はジオンの侵略者と戦ってるんです!」
タチ:「ドアンの悪口を言うな!」
チヨ:「あたしたち騙されてなんかいないわよ!」
クム:「そうだ、僕達の島を守って何が悪い!」
タチ:「ドアンの悪口を言うなら帰れ!」
チヨ:「そうよ、とっとと出ていって!」
アムロ:「よ、よくも味方につけたものですね・・・」
タチ:「なんだと?お前・・・」
ドアン:「やめろ。無駄な争いはいかんといつも言ってるだろ」
タチ:「だ、だけどこいつ」
アムロ:「コアファイターは探し出しますから」
ドアン:「フッ・・・」

アイキャッチ

アムロ:「そう遠くへ運んだとは思えないけど・・・」

タチ:「ドアン、あいつ戦闘機を見つけないよね?」
チヨ:「絶対わかりっこないわよね?」
ドアン:「ああ、そうだな」

アムロ:「あっ?」
ロラン:「思ったより意地っぱりなのね」
アムロ:「偵察に来たのか?」
ロラン:「あなたにはあの夕日の美しさもわからないみたいね」
アムロ:「戦いに美しさなど必要ないよ。気を許せば負けるんだ」
ロラン:「ドアンはね、あなたが思っているような悪い人じゃないのよ」
アムロ:「子供達を騙すのが上手な様だね、ドアンって」
「あっ」

ロラン:「何も知らないくせに勝手に決め付けないで!」
アムロ:「そんな立派な男がなぜコアファイターを隠すんだ?」
ロラン:「あなたにはあの子供達の気持ちがわからないの?いくら子供だからって、そんなに簡単に騙されてこの島までついて来ると思うの?」
アムロ:「じゃあなぜドアンは子供達の面倒を見るんだい?」
ロラン:「知りたければ自分で聞くのね」
「ドアンはあなたを見こんでいるわ。青臭いところが取れたらいい兵士になれるって」

リュウ:「うーん、この島にはいないようだな」
ブライト:「リュウ、捜索は明日まで打ち切りだ。いったん引き上げろ」
リュウ:「しかし、もうすこし・・・」
フラウ:「人が心配してるっていうのに。連絡ぐらいすべきよね」
ミライ:「アムロのことですもの、何か事情があるのよ、きっと」
フラウ:「だといいんだけど、もしかして。馬鹿ね、あたしって・・・」

ドアン:「ううぅ・・・」

子供達:「わあーん!」
「ああっ!!」
「うわあっ、ザ、ザクだ!!」

ドアン:「うわああっ!」

ドアン:「ジオンの姿はないか・・・ん?まだ起きていたのか」
ロラン:「どうするの?」
ドアン:「うん。あの少年の事か。今のままにしておく訳にはいかないさ、近くに本隊が、いるだろうからね。彼がその気になってくれなければ面倒になる。こんな不安におびえる生活、できることなら私も早く抜け出したいが。すまん」
ロラン:「あたしなら平気よ」

アムロ:「あーあ・・・あー・・・」
タチ:「いたぞ!早くこの島から出ていけ」
クム:「そうだ、そうだ!」
子供達:「えーい!」
アムロ:「や、やめろ!」

リュウ:「はーあ・・・」
ブライト:「お互い、よく眠れなかった様だな」
リュウ:「ああ・・・あ、捜索に出ます」
オスカ:「未確認飛行物体接近、かなりのスピードです」
ブライト:「こっちに向かっているのか?」
オスカ:「いえ、ポイント305方面に向かってます」
ミライ:「リュウに発進させましょう」
ブライト:「よし、ホワイトベースも発進だ」
ミライ:「はい」

アムロ:「・・・」
タチ:「帰れ、帰れ!」
クム:「早くこの島から出ていけ!」
タチ:「帰れ、あっ」
アムロ:「あっ!ザクだ!」
子供達:「ああっ!」
チヨ:「ああっ!」
アムロ:「あっ!」
チヨ:「ああっ!」
アムロ:「逃げろ!」
「あっ!」
「ぐっ・・・急げ!」

クム:「うわあーっ!」

ドアン:「ロラン!子供達は?」
ロラン:「それが」
アムロ:「ドアーン!ドアン、コアファイターを返してくれ!」
ドアン:「おっ!」
アムロ:「危ない!!」
ロラン:「家が・・・」
アムロ:「ドアン」
ドアン:「ついて来い!」

リュウ:「おっ?ザクの奴、いったい何を狙ってんだ?ああっ?」
アムロ:「素早い奴め」
リュウ:「アムロ、無事だったのか」
アムロ:「リュウさん!」
リュウ:「いったいどうしたっていうんだ?」
アムロ:「話しはあとです。とにかく、ひとつのザクはこちらの味方です」
リュウ:「・・・?」
アムロ:「来た!あっ?ホワイトベースか」
ブライト:「アムロ、大丈夫か?」
アムロ:「はい、至急ガンダムを発射してください。空中でドッキングします」
ブライト:「いや、やめろ。着艦して換装だ。オムルへ、換装準備急げ」

アムロ:(僕だって少しは腕が上がっているっていうのに)

アムロ:「行きまーす!!」

アムロ:「ぐ・・・」
「あとはこのザクだけです」

ドアン:「待て、こいつは俺に任せろ」
アムロ:「しかしあなたにはたいした武器が・・・」
ドアン:「モビルスーツの格闘技というのを見せてやる、よーく見て憶えておけ」
アムロ:「し、しかし・・・ドアン!」
ドアン:「おおっ」
「やめろ!」
アムロ:「し、しかし」
ドアン:「私は子供達が見ている限り戦い続ける」
子供達:「ドアーン、そんなザクやっちゃえ!」
クム:「ドアンなら勝つよね?」
タチ:「やっちゃえやっちゃえー!」
クム:「それっ!」
リュウ:「・・・アムロ、いったいどうなってんだ?」
アムロ:「さあ、それが僕にも・・・」
ドアン:「教えてやる、少年達」
アムロ:「えっ?」
ドアン:「子供達の親を殺したのは、この俺さ」
アムロ:「えっ?」
ドアン:「俺の撃った流れ弾の為にな。ジオンは子供達まで殺すように命じた。だが、俺にはできなかった。俺は子供達を連れて逃げた。俺の命に代えてもこの子供達を殺させはしない!」
アムロ:「ドアン!」
ドアン:「俺は・・・俺は・・・」
「俺は、子供達を殺させはしない!」

タチ:「ドアン、かっこよかったよ」
クム:「やっぱり僕達のドアンだ」
ドアン:「奴らは私が生きている限り追撃の手を緩めないだろう。私がいる限り、この子供達にも危険がつきまとう。困ったものだ」
アムロ:「違います、あなたがいるからじゃありません」
ドアン:「え?」
アムロ:「あなたの体に染み付いている戦いの匂いが、追跡者を引きつけるんじゃないんでしょうか?」
ドアン:「戦いの匂い?」
アムロ:「ええ、それを消させてください、ククルス・ドアン」
子供達:「ああっ!」
アムロ:「やーっ!!」
子供達:「ああっ!!」
クム:「なんでなんで!?」
チヨ:「なにするのよ、ひどいわよ!」
タチ:「なにするんだ、ひどいやひどいや!」
子供達:「ああっ!」
ロラン:「ドアン」
子供達:「あいつ、やっつけちゃえ!」
ドアン:「こら、やめなさい。あのお兄ちゃんを怒っちゃいけない」
クム:「どうしてさ?」
チヨ:「ドアンのを沈めちゃったのよ!」
ドアン:「あのお兄ちゃんのやったことはとてもいいことなんだよ」
「ロラン、なかなかいい少年じゃないか。そう思わないか?」
ロラン:「え、ええ」

次回予告:「砂漠の中に出現するギャロップとグフ。シャアの消息を知りたいセイラは命令違反を犯して出撃をする。その無謀な戦いがガンダムを危機に陥れる。アムロの救出作戦が。機動戦士ガンダム、次回、『セイラ出撃』。君は、生き延びることができるか?」


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