機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1 青い瞳のキャスバル 前半

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U.C.0079 1月23日
ルウム宙域


兵士達:「ティアンム艦隊より入電。ジオン艦隊、敵にあらず。」
「敵は隊列を崩し始めたぞ!」
「前衛艦隊撃破されました。」
「ひるむなー!射出しつつ散開!」
「レドヴィザン大破」
「ドズル中尉、本艦はもうだめです。ご武運を!」
「硫黄島爆心」
「ザトペック機関停止」
「ドズル閣下!ご武運を!」
「ジークジオン!」

ドズル:「貴様らの死、決して無駄にはせんぞ」
「全軍初艦の奮闘を無駄にするなー!散開!しかるのち反転!急げー!」

連邦士官A:「ティアンム艦隊の圧勝だな。」
連邦兵A:「これではわれわれの出番はありませんね。」
連邦士官A:「所詮ジオンなど・・・」
連邦兵A・士官A「うわぁぁ!」

連邦兵B:「続いて機関部に着弾!動力部大破!」
「3時方向!約8キロ先より光あり!敵艦影は見られず!」
連邦兵C:「攻撃しているのは人型機動兵器!」
連邦兵D:「右舷!弾幕を張れ!」

シャア:「デニム、これで敵の後方から撃て。スレンダーはデニムの援護を頼む。」
スレンダー:「了解」
デニム:「しかし、中尉お一人では・・・」
シャア:「陽動は一人で充分だ」

連邦兵E:「速過ぎです。応戦するすべがありません。」
連邦士官B:「総員退避うわぁぁ」
シャア:「いけるか、あと2隻。むぅ」

連邦兵F:「マゼラン級5隻撃沈!敵は赤いモビルスーツ一機!」
連邦兵G:「高熱源体多数!直下から接近!モビルスーツです!
連邦兵H:「敵と交戦中!総員ノーマルスーツ着用!アタッカーを出せ!」

ジオン兵A:「速い!誰だ?」
ジオン兵B:「見えなかった・・・」
ジオン兵C:「赤い機体はシャア中尉だ」

ガイア:「アナンケか?」
マッシュ:「へへへ」
オルテガ:「レビルの艦だな?」

「とどめは任せろ!」
連邦兵H:「全砲門沈黙!」
オルテガ:「あのやろう、速いな」
マッシュ:「シャアか」
ガイア:「通常の3倍のスピード・・・まるで赤い彗星だ!」

シャア:「ん?残弾1か・・・」

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1

ジオン:「やっとできた!明日の演説の原稿だ!読んでみてくれ!アストライア!さあ!!」
アストライア:「シー!お声が大きいわ。子供たちが起きてしまいます。」
ジオン:「だめだぁー!」
アストライア:「・・・!?」
ジオン:「だめだ・・・これではただの自治権拡大の要求だ。そうじゃない!この演説は地球圏に住む者たちへの宣戦布告なのに!それを言葉にできていない・・・」
アストライア:「お疲れだわ。少しお休みになって、ね?一度横になって・・・!?」
ジオン:「私に寝ろというのか?私が寝てしまっては弟子たちを起こすことができない。アストライア、私は明日、ゴルゴダの刑場へ曳かれるんだ。そして十字架の上から、世界に告げるんだ。ガイアの怒りに触れた罪深い者たちはまもなく業火に焼かれ死滅するだろう。」
アストライア:「お休みになって?本当に少しでも!」
ジオン:「子供たちは?」
アストライア:「よく眠っています・こんな夜更けですから。だめ!いけません!子供たちはそっとしておいて!」
アルテイシア:「だれー?お父様?・・・眠い・・・おひげ痛い・・・おやすみ・・・お父様・・・」
ジオン:「おやすみアルテイシア。お前は優しい子だ。おやすみ・・・おやすみ・・・」

青い瞳のキャスバル

宇宙世紀U.C.0068
サイド3
ムンゾ自治共和国

ニュースキャスターA:「まもなくジオン・ズム・ダイクン議長の演説が始まります。果たして議長は連邦からの独立を表明するのか、世界の注目が集まっています。」
警備員:「やめてください」

ジオン:「うぅぅぅ・・・」
デギン:「・・・!?」
ジンバ:「・・・!?」
ジオン:「うぁぁぁぁ・・・」

アルテイシア:「お父様、ご病気?」
キャスバル:「心配しないで、アルテイシア。きっとなんでもないんだから。」

民衆:「ダイクン!ダイクン!ダイクン!ダイクン!ダイクン!」

アルテイシア:「ひっ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

民衆:「ダイクン!ダイクン!ダイクン!ダイクン!ダイクン!」
民A:「議長を出せ!」
民B:「ダイクンはどうしたの?」
民C:「連邦の横暴を許すな!」
民D:「わしらの苦しみわかってんのかー!」
民E:「議長の演説聞かせろー!」
民F:「独立だー!!」

デギン:「議長は突然心臓の発作を起こされました。応急の処置は施したのですが。ただ、最期はこの私にアストライア様とお子様たちをよろしくと、どうぞ頼りになさってください。ダイクンの最も古き同志として、このデギン・ザビ一族を挙げてお仕え申しあげます。」
ジンバ:「・・・」
アストライア:「ザビ家の方からのそのようなお言葉、心強いことですわ。」

民G:「ダイクンは暗殺されたぞー!」
民衆:「え!?」
民G:「殺された!連邦にだ!連邦はダイクンの敵だー!」

議事堂の人:「連邦軍の治安部隊が出動しました。議事堂の周りは群集でいっぱいで外に出ることもできません。」

ジンバ:「アストライア様、ちょっとお耳を。」
「デギンなぞ信用してはなりません。ザビ家一党こそダイクン暗殺の下手人かもしれんのですぞ!」

アストライア:「そんな・・・」
ジンバ:「いいや!間違いなくそうなのです。外ではデモが荒れ狂っておる。なぜです?ダイクンの死は秘密になっているはずなのに。外部に言いふらした者がいるのです。多分次男のサスロあたりが手を回したのでしょう。デギンめはかねてからダイクンを除こうとしておった。それで毒を盛ったのです!」
アストライア:「ラル様、子供たちの前でそのような・・・」
ジンバ:「いいや!お子たちにこそ知っていてもらわねばならん。お父様は殺されたのですぞ!ザビ家の連中に!迂闊に動いてはなりません。とりあえずここは私の家に。おい!息子のランバ・ラルです。これが先導します。護衛役としてお使いください。」
ランバ:「非常に光栄です!ダイクン家の皆様のお役に立てるとは!」

連邦兵I:「止まれー!」
ランバ:「議長ご一家の緊急避難だー!通るぞ!」
「よしこの先で左の迂回路に入れ!・・・ん?チィ!こんなところにまで!」
「道を空けろ!こら邪魔だ貴様らぁ!」

民衆:「すげー車だ!」
「誰が乗ってるんだ?」
「誰!?誰!?」
「うおー!ダイクンの家族だ!アストライヤだ!」
「キャスバルよ!アルテイシアもいる!」
ランバ:「こいつら!本気で撃ち殺すぞ!ん?」
キシリア:「えらくお困りのようね!ランバ・ラル大尉。」
ランバ:「キシリア・ザビ・・・」
キシリア:「お手伝いしましょう?ここは貸し借りなしで。」
アストライア:「キシリアさんですね?」
キシリア:「はい、ご無事でしたか?」
アストライア:「ありがとう。ああ、勇ましいお姿ですこと。」
キシリア:「女だてらに、とおっしゃりたいのでしょうが、これがザビ家の家風、お笑いください。」

サスロ:「それをそのまま見逃してきたのか?」
キシリア:「はい。ランバ・ラルごときと3人を奪い合うのも大人気ないと思い。」
サスロ:「ダイクンの遺児を奪われるのをみすみす・・・馬鹿者!!」
キシリア:「・・・!?」
ギレン:「ん?」
ドズル:「サスロ兄!何も殴らんでも!」
サスロ:「お前は口を出すな!!せっかくダイクンの死を連邦の暗殺と思わせる世論操作が、うまくいきかけているというのに!老いぼれの悪知恵に乗せられおって!」
ギレン:「排除するしかないな。その老いぼれのことだ。」
サスロ:「というと?」
ギレン:「ラル家に引導を渡す。最終的にな。」

弔辞:「われらは理想の体現者、偉大なるムンゾの指導者ジオン・ズム・ダイクン。ムンゾ議長にしてスペースノイド開放のさきがけとなり今空に昇りて礎えとならんとす。その魂を安らげてくれる悠久の大儀にいかせし給え。その理想よ永遠なれ。その肉体は滅びようとも、われらの進むべき道を光で照らし給え。ジークジオン。」

ドズル:「サスロ兄、あれはやりすぎだよ。」
サスロ:「なんだ、キシリアのことか?」
ドズル:「そう、なにも引っ叩かなくても」
サスロ:「あれでも足りんくらいだ。近頃のあいつはいい気になっている。」
ドズル:「まあそうだが・・・でも兄弟なんだから仲良くしたほうが」
サスロ:「ドズル!!顔に似合わぬその人の良さがいかんのだ!いいか!これからの政局は熾烈な殺し合いだ。そんな風では・・・」
ガルマ:「うわあぁぁぁ、キシリア姉さん!ドズル兄さんたちの車が!」
キシリア:「ガルマ!!うろたえるな!これしきのことで!ザビ家の男だろう!!」
ジオン兵D:「消化だ!消化ー!」
ジオン兵E:「爆発するぞー!」
ドズル:「クソー!!!サスロ兄がやられたー!!誰がやったんだー!!こんなことをしたのはー!!」
ボディーガード:「待て!撃つな!」
ドズル:「誰だーーー!!!うぁぁぁ!!」

ニュースキャスターB:「故ジオン・ズム・ダイクンの葬儀行列中の車両が突然爆発し、乗っていたサスロ・ザビ氏が死亡。同乗のドズル・ザビ氏は奇跡的に命に別状はない模様です。」
ジンバ:「デタラメだ!メディアめ!ザビ家に尻尾を振りおって!これもまたデギンの陰謀だ!やつはダイクンの暗殺から目をそらすために息子を殺して、われわれに罪を被せようとしているんだー!」
ランバ:「そうかな?親父?」
ジンバ:「ランバー!?なんだ!お前までわしを疑うのか!?」
ランバ:「いやそうじゃないが、それだけの理由で息子が殺せるかな・・・サスロはいやなやつだが、仕事ができてザビ家でも重宝されていたじゃないか。」
使用人:「ランバ様、アストライア様がお呼びです。」
ランバ:「ん、すぐ行く!」
ジンバ:「くそぉぉぉー!!ん?」
民衆:「出て来い!ジジイ!人殺し!」
「サスロ殺し!」
「ダイクンの家族を拉致しやがってー!」
「きたねえぞ!下品ジジイ!」
「ダイクンに恥ずかしくないのか!裏切り者!」
ランバ:「ラル大尉であります!入ります!」
アルテイシア:(嗚咽)
ランバ:「あぁぁよくわかります!お家へ帰りたい?そうでしょうそうでしょう!でももうちょっとお待ちを・・・」
アストライア:「違うんです、大尉さん。この子は・・・」
アルテイシア:「ルシファーが一人ぼっちだから・・・心配なの・・・」
ランバ:「ルシファー?」
「ん?猫?でありますか?」

アルテイシア:「ルシファーはとても寂しがり屋なの。抱っこしてあげないと寝られないし、おトイレだって手伝ってあげないとできないし!」
ランバ:「わかりました!!そのルシファーちゃん、おじさんが連れてきてあげます!!」
アルテイシア:「ホント!?」
ランバ:「ああ!約束しますよ!このランバ・ラルおじさんはねなんだってできるんです!!」
アルテイシア:「おじさん!好き!」
ランバ:「ルシファー救出作戦をやるぞー!」
ドノバン:「ルシファー?」
ジオン兵F:「誰だ?」
ジオン兵G:「さあ?」
ランバ:「少尉!名前は?」
ドノバン:「はっ!ドノバン・マトグロスであります!」
ランバ:「うむ!一個小隊ほどつれて付いて来い!」
ドノバン:「ん?」
ランバ:「むっふっふっふ」
アルテイシア:「あ!いけない!ルシファーは知らない人引っかくよって教えてあげるの忘れてた!」

暴徒:「ザビ!ザビ!ザビ!」
「裏切り者を許すなー!
「ラル家をぶっつぶせー!」
「デギン・ザビバンザーイ!」
「ラル家の頭をたたき殺せー!」
「いやったぁぁ!」
「サスロの仇だ!」
「ザビ!ザビ!」
「ザビ!ザビ!「ザビ!ザビ!」

ギレン:「勝ちましたな、ラル家に。町は無政の府です」
デギン:「焚きつけるだけではいかん。そろそろ鎮めねば。」
ギレン:「大衆はあなたの名を叫んでいるのですよ?」
デギン:「それでもいかん、連邦につまらん口実を与える。」
ドズル:「ギレン兄!父上!ここにいたか!いやはや愉快痛快だ!ラル家の最期を見るのは!」
ギレン:「ドズル、お前もう良いのか?」
ドズル:「良いもなにも血が騒いでどうもならん。サスロ兄の無念を晴らすのは俺のこの手で・・・ぐおおおぉぉぉ!」
デギン:「追い詰められたねずみは猫を噛むぞ。確かにジンバ・ラルはもう死に体だが、息子のランバ・ラルがいる。ムンゾ防衛隊の若手にはなかなか人望があるようだ。ギレンよ、お前も少しは腹芸を見につけんとな」
ドズル:「確かにランバ・ラルはいいやつだ。ラル家の人間でなかったら部下に欲しいくらいだ。」
デギン:「作ってやれ、逃げ道を。寛容になれるのは勝者の特権だ。」
「ダイクンもジンバ・ラルも過去の人になった。ザビ家のみがこれからの歴史に責任を負うのだ。」

ランバ:「♪~」
チンピラ:「止まれこらぁ!貴様どっちだ?ラル派のやじゃないだろうな?」
ランバ:「うえぇ」
チンピラ:「うぅーくっせえぇ!ひでえ酒飲んでやがる。それでまだ飲むのかよ?今日がどういう日か知ってんのかオヤジ?」
タチ:「ダメダメ!この店はもう今日は・・・!?大尉殿・・・でありますか?」
ランバ:「大きい声を出すな少尉、タチとかいったな、軍務のかたわら夜はクラブの用心棒か?」
タチ:「ち、違いますよ!今夜は物騒だからボ、ボランティアで・・・ホントに!ああ、あの・・・お願いです!あの人を危険なことに引き込まないでください。もうこれ以上あの人を利用しないで、静かに普通の生き方を・・・」
ランバ:「タチ少尉、命令だ。俺が今やろうとしていることに口を出すな!!!!」
クランプ:「ああ、ようこそ大尉。」
ランバ:「クランプ、貴様見るたびにバーテンが板に付いてくるな。」
クランプ:「へへへ」
ランバ:「どうなんだ?軍にはもう戻らんのか?」
クランプ:「軍って言ってもねー連邦軍の下働きじゃ・・・でもね大尉のご用にならいつでも馳せ参じますよ!ハモンさ~ん!ご指名だよー!」
ハモン:「奥へ、マスター、誰も入れないで」
タチ:「はぁー」
ハモン:「今日はまたとても念入りな変装ですこと。まだ残ってるわ。」
ランバ:「これはメイクじゃない。チビのルシファーにやられた。」
ハモン:「こんなときにも火遊び?今度はどんな娘かしら?」
ランバ:「黒毛の・・・すばしっこいやつだ!」
ハモン:「・・・?」
ランバ:「ハモン、すまんがまた頼まれてくれ。ある人間を地球に逃がしたい。」
ハモン:「お父様のジンバ・ラル様を?」
ランバ:「察しがいいな、さすがに。サスロのことがあった以上、親父は生き延びられない。ザビ家の連中の手にかかるのをみすみす見てはおれんからな」
ハモン:「あなたご自身は?」
ランバ:「何とでもするさ。やつらの急所に噛り付く自身はある。」
ハモン:「地球へはお父様だけが?」
ランバ:「それよ、もっと厄介な客が一緒になるかもしれん。」
ハモン:「どなた?」
ランバ:「言わせるな。それも察しがついているくせに。」
ハモン:「そうね・・・公安局の伝手をを使えばできないことはないわ。」
ランバ:「それでこそだ!また来てるなあの少尉。」
ハモン:「ええ」
ランバ:「ああいううぶなやつはあまり本気にさせないほうがいいぞ」
ハモン:「あっははっはいはい。あぁ!そういえば彼も今ドッキングベイに配置されているから使えるかも。」
ランバ:「げっ!あいつをか!?」

アストライア:(この子たちはなぜダイクンの子などという境遇に生まれたのかしら)
ラル家の私兵?:「止まれー!!それ以上近づくな!近づくと撃つぞ!」
キシリア:「撃てるものなら撃つがいいさ!保安隊隊長のキシリア・ザビが特別に用があってきた!」
ラル家の私兵?:「無駄だ!ジンバ・ラル様はザビ家の誰にも会わん!」
キシリア:「結構だ!こっちもいまさらジンバ・ラルに会いにきたわけじゃない!新議長デギン・ザビの代理としてキャスバル・レム・ダイクンと話がしたい!」
ジンバ:「キャスバルとだと!?とんでもない!追い返せ!あ、なに?もう中へ?馬鹿者ー!ランバはどこだー?なにー?町に飲みにー?こんなときにー!親不孝者のドラ息子めがー!!」
キャスバル:「僕、その人に会います。」
ジンバ:「・・・ん?」
キャスバル:「キシリアという人なら知っています。強そうな人ですよね?でもお父様の仇のザビ家の人になら僕は負けません。」

キシリア:「これはこれは、お休みのところ。こんな夜更けに礼儀を知らない大人だとお思いでしょうね。でもとっても大事な話なのよ。あなたと私にしかできない。今町では争いが起きてたくさんの人が死んだり、傷付いたりしています。なぜこんなことになったのか、ジンバ・ラルが私の兄サスロを殺したからです。そしてサスロが殺された原因はあなたがたがこの家に逃げ込んだからです。」
キャスバル:「そういうことはみんなあなたたちが僕の父を殺したから始まったんじゃないんですか?」
キシリア:「そんなこと誰に教わったの?お母様?いいえ、違うわ。ジンバ・ラルがそう教え込んだのね。」
キャスバル:「キシリアさん、あなた僕と話し合いをしたいんじゃなかったの?そんな風に子供を叱るような口を利きたいんだったら僕はごめんだ!」
キシリア:「!」
キャスバル:「もう部屋に帰るよ。」
キシリア:「なるほど、私が悪かった。じゃあ話し合いに戻りましょう。私から提案します。」
キャスバル:「どうぞ。」
キシリア:「あなたたちには家がある。ダイクン家のために用意されたお屋敷がある。そのお家に帰りなさい。あなた方3人で。そうすればサスロの仕返しはしません。町の騒ぎも鎮めてあげます。」
ジンバ:「ダメだ!そんなことはいかん!!罠に決まっとる!!3人にここを出られたらラル家のものは皆殺しだ!どけ!わしが中に!」
アルテイシア:「ねえ、お兄ちゃんは?」
キャスバル:「本当にそう約束するなら、僕達は家に帰ります。でも、」
キシリア:「でも?」
キャスバル:「サスロさんのことはもういいと言うけど、それじゃ父を殺したことはどうなるんですか!!僕はもういいなんて言わない!!僕は!!」
キシリア:「またそのことを!!」
キャスバル:「うゎゎぁぁぁ」
ラル家の人A:「なにか物音が・・・」
ラル家の人B:「聞こえなくなりました・・・」
ジンバ:「キャスバルが危ない!ドアを開けろー!」
ラル家の人A:「あ、ちょっと待ってください。話し声が・・・」
キシリア:「声を挙げるだろうと思った。なぜ今声を挙げなかったの?声を挙げて助けを呼んでもいいのよ?それとも私が怖くない?誰も自分にはひどいことをしないと思っているのなら、それは違うのよ、キャスバル坊や。」
キャスバル:「!?」
キシリア:「どう?私にはこういうこともできるのよ。あなたを罪人にして牢屋に入れることだってできる。怖いでしょう?怖いといいなさい!」
キャスバル:「怖くなんかない。僕はダイクンの子だぞ。誰も僕にこんなことできないんだ!」
キシリア:「デギン・ザビがいまはこの国で一番偉いのです。デギンの命令ならあなたを縛れるのよ。」
キャスバル:「でも僕はジオン・ズム・ダイクンの子だ。大きくなってすぐにまたデギンやあなたたちを従えるんだ!キャスバル・レム・ダイクンが命令する!これを外せ!」

キシリア:「キャスバル恐るべしと申し上げましょう。強く出て試してみましたが、おびえるどころが、私を威嚇しました。ガルマと同じ11歳にしてはたいした胆力です。ザビ家1000年王国を築くおつもりなら、よろしく処置しなければなりません。」
ギレン:「まるでこの私に命令するような物言いだな、キシリア。」
キシリア:「おお、とんでもない、私はせめてもの失点回復をと。」
ギレン:「そういうことなら充分考えてある。余計なことはするな!」
キシリア:「しかしサスロ兄が亡き後・・・」
ギレン:「謀略は自分に任せろか?笑わせるな。それよりもサスロの冥福でも祈ってやれ。」


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